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2009年04月01日

暮らしの中からうまれるもの

先週の火曜日、前夜の「スーパ−ギターデュオ」ライブの余韻もまだ残る朝4時半にマリンライナーで高松を出発。
umieがきっかけで知り合い、umieをきっかけに木工の道へと進んだ加賀さんの待つ飛騨高山へと出掛けて来ました。

新幹線、特急と乗り継ぎ到着したのは午前11時。
どこまでも続く里山の景色、川の流れの速さと水の豊かさ、幾重にも連なる山々と頂の雪に、とうとうここまで来たことを実感。
香川では味わえない雄大さに、まずは圧倒されていました。

笑顔の尚子さんとかんた君に出迎えられ、加賀さんの待つ車へ。
umieの駐車場で見慣れた、香川ナンバーの紺色の車に乗せていただき、まずは作業場へ。
木工の道へと進んだ加賀さんの作業場写真

豚舎を自分達で改装したという作業場は、小高い場所にあり冷たい風が吹きぬける広い空間。
木の香りに満たされた中は、初めて見る木工用の機械の数々、作成中の作品、自分達の使いやすいように配置され手を加えた道具達。
この場所を大切にしている様子が伝わってきました。

実際にカッティングボードを作る様子を見せていただいたのですが、真剣なまなざしで1枚の板を見つめ、削り、カットし、ラインを合わせてさらにカット…いくつもの工程を経て板から作品がうまれてくる様は、感動的です。

以前は機械の音におびえていたというかんた君も、じっとお父さんを見つめ幼いながらも誇らしげで、2人を見守る尚子さんも温かく穏やかで。
車の中で尚子さんが語っていた「ものづくりというのは、ものをつくるだけじゃなくて日常の生活を大切にすることでうまれてくるのだと感じている」といった言葉が、胸に響いてきます。

その夜泊まった福地温泉の旅館、翌日訪れた高山の古い町並み、多治見のギャルリ百草も、すべて形は違えど同じこと。
そこに根差し、そこにあるものを大切にして、自分達の足元を見つめながら丁寧に暮らしていく、そしてそこからうまれてくるものを大切に育んでいく姿勢には、
凛として清々しい美しさがありました。

日々のおくり方、自分の心持ちの大切さ、変わらない靭さとしなやかさを教えてくれた、とても心に残る、宝物のような2日間になりました。

「茶の箱」本の写真 「茶の箱」本の写真
今日の1冊は「茶の箱」。
ギャルリ百草で手に入れた中の1冊です。
百草のオーナーで陶工の安藤雅信さんを始め、塗師の赤木明登さん、鍛金師の長谷川竹次郎さんなど、素晴らしい夢のような顔ぶれの方達が集まって作った16通りの茶道具。
ここにも自分の仕事に誇りを持ち、力強くやさしく生きている人達がいます。

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